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赤羽の部屋

場所:東京都北区
規模:マンション改修
設計:mak
施工:CLEAT
写真:中村晃
(模型写真のみmak)

東京都北区、赤羽の商店街からほど近い住宅地にある、1980年代マンションの一室のリノベーション。既存の内装をすべて解体した上で、再販売用に改修するプロジェクト。
片廊下形式の並びの中心に位置する部屋で、当初はほぼ等しい面積の小部屋に分割された間取りであった。今回の改修で、西側の3面の窓に対して、できる限り大きな居室を、中心部の光の届きづらい位置にウォークインクローゼットをつくり、収納を住戸の中心にまとめるような計画とした。

外壁の素材を参照して、玄関土間に敷いた煉瓦タイル、赤茶色に馴染むような杉材の床、住戸の中心部の水回りや収納の床は赤の補色である青緑系のビニルタイル、キッチンの壁は茶色と緑の中間くらいの色のマットなタイル…と順に各部に配置していき、ささやかながらマンション自体の持つ雰囲気に関係づくよう、全体を設えていった。

再販用物件という条件上、足し算的な造作ではなく、環境を整える中で出てくる要素に小さな役割を加えるように考えた。キッチンの壁面タイルの見切りを少し大きくしたり、冷蔵庫置き場の目隠し壁の骨組を外側にみせてものを置けるようにしたり。その壁は、リビングの引き戸と関係付ける。そんな小さな配慮が、まだ見ぬ住人の暮らしの手がかりとなり、部屋の親しい風景のきっかけになるといいなと思っている。

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