場所:福岡県福岡市
規模:美容院
設計:mak(森田夏子+亀田康全)
AD+D:ido(飯田将平+下岡由季)
施工:space R design
撮影:mak
HP:https://www.instagram.com/spiel_hairsalon/
美容院の内装基本設計と什器設計。
敷地は袖壁で分節されたワンルームと、間仕切り壁によって廊下状のエントランスとトイレに分けられていた。既存壁に対して新たな壁を斜めに追加することで、エントランスからの視線の誘導と視界の広がりをつくり、斜めの壁と既存の壁の隙間を控室とクロークとした。斜めの壁の開口部は、既存のウォールナット色の一方枠の意匠に倣うことで、既存・新設の関係を馴染ませた。
全ての什器は場所に応じた方法で可動性を持つように計画し、店内でのイベントや施術環境の微調整に対応する。
3面のカット台はそれぞれユニークな形の鏡がバラバラな方向を向くことができるように配置している。ポールを軸に回転する鏡、取り外すことができる壁掛けの丸鏡、ハンガーラックのようなフレームに掛かった鏡、これらは他のカット台の様子や光の入り方に対応して動かすことができる。
また、クロークの小部屋の深い緑色、什器のラワン合板、既存の窓枠のウォールナット色、床のグレー、ロゴ・ショップカードのグラフィック等、新設/既存/什器/グラフィックと、色と形をもつ様々な次元を横断しながら調和をはかった。内装のコンセプトに他が従うでもなく、どれが突出するでもない入替できる関係は、おおらかで余白のある空間を感じさせる。
店名の「Spiel(シュピール)」が意味する「遊び」を想起させる、シーンによって能動的に使い方を発見できる空間となった。