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Mizuno Gakuen SOTSUSAI 2022

場所:学校法人 水野学園 青山校舎
規模:展示会場構成
設計:mak(森田夏子+亀田康全)
グラフィック:ido
イラストレーション:Momoe Narazaki
施工:昭栄美術
撮影:©️morinakayasuaki/mak
HP:https://sites.google.com/mizuno-online.com/graduationworks2021/

ジュエリーや自転車、バック、シューズなど多分野のものづくりの専門学校、水野学園の卒業制作展の会場構成。

展示室となる教室はアトリエでもあり、見慣れない機材や設備が並ぶ、日々の制作の雰囲気が伝わる場所だった。一方でそれは、展示室としては雑多なものに感じられた。

それらを完全に「隠すべきもの」とするのでなく、見え方や色味のフィルターをかけることで、空間を整える方法を考えた。

具体的には、教室の機材や水回りなどの設備の手前に半透明のカーテンをしつらえ、展示の背景となる面を仮説的に構成し、小さな教室の床には色のついたカーペットを敷くことで、雑多な素材を抽象化し、各教室をほのかに色付け、空気感を変化させている。

半透明のカーテンはメッシュのテント生地で、素材のハリを利用して円弧が連続するドレープをつくり、立体的な存在感を生み出す。また、このかたちは設営と保管の簡便さからも検討されていて、4つの円弧を1ユニットとして平面に折り畳み、保管することができる。

カーペットは床だけではなく、普段は作業台である特徴的な形の天板に敷いたり、テーブルにかぶせることで、使い込まれた面や立体の記憶を残しつつ抽象化した。

サイングラフィックは各コースにまつわる「ものが生まれる原型」のような面と線で表される。コースごとに素材の色を割り当て、多様ななかにまとまりをつくり、その色と連動させることで来訪者を誘導している。

時に作業風景や制作の過程が想像できるような、ものづくりの卒業制作展にふさわしい、日常の学校の風景からひと続きにある展示室を考えた。

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