場所:東京都杉並区西荻南
規模:ドア
設計:mak(森田夏子+亀田康全)
AD+D:ido(飯田将平+下岡由季)
施工:イノウエインダストリィズ
撮影:mak
HP:https://www.instagram.com/doyoubi_muffin/
西荻窪のマフィンとスコーンのお店「doyoubi」のドアの改修。
よく見ると工夫された既存のドアを(勝手に)引き継ぐ計画。
お店は2階にあり土曜日だけ開店するため、それ以外の日はシャッターとドアが閉まっている。
曜日を問わず人通りの多い商店街で、お店が閉まっていることがネガティブにならないことを考えた。
既設のドアは丸パイプの骨組みに、防錆処理が施された薄い鉄板を巻きつけるという、控えめな特徴のある作り方だった。
そこで、既存のドアの鉄板をくり抜き、窓が付いているドアのようにアクリルケースをはめ込んだ。ケースの上下に取り付けたアクリルの塊を差し込み、ボルトで締めて固定している。
また、ドア上部の回転する店名の突き出し看板や、小口に取り付けたOPENの看板など、既存のドアに、ドアの開閉で見え方が変化する仕掛けを加えた。
このお店の宅配便のセットは、マフィンとスコーンが薄いポスターでくるまれて小さな段ボールにパンパンに入って届く。
このポスター兼包装紙をアクリルケースに掲示すると、少し余白が残る。透明で立体的な塊の向こう側が見える。
見える先は、ドアが閉まっている時にはシャッターや2階への階段であるし、ドアが開いている時には通りの向こうやドアの内側(断面から見える内部)である。
最近は店主が選んだ鳥の置き物が入っていた。2階のまだ見ぬ店内と店先で出会うための方法とも思える。